関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、主に関節を中心に慢性的な炎症を引き起こします。この炎症が進行すると、関節の軟骨や骨が破壊され、痛みや変形を引き起こす病気です。
関節リウマチの特徴
有病率: 全人口の約0.5〜1%に見られる疾患。男女差: 女性に多く発症し、男女比は1:3とされています。
発症年齢は多くは30〜50歳に発症し、女性の場合千人に八人。男性の場合、千人に一人と報告されているデーターもあります。
発病の原因
関節リウマチの原因は完全には解明されていませんが、遺伝要因と環境要因が複雑に絡み合って発病するrと言われています。
(1) 遺伝要因
遺伝子そのものが直接の原因ではありませんが、疾患の多発家系が存在していること、一卵性双生児における発症の一致率が高く、HLA-DR4などの特定の遺伝子型が関与しているとされています。
(2) 環境要因
・喫煙:関節リウマチのリスクを高めるとされています。リウマチの発症リスクに関与する特定の遺伝子(例:HLA-DR4)がある人では、喫煙が発症や悪化を引き起こすリスクをさらに高めることが知られています。
・歯周病: 歯周病菌が自己免疫の引き金となる可能性が指摘されています。性ホルモン: 女性ホルモンの変動(妊娠、閉経など)がリスクに影響することがあります。
症状
(1)全身症状
初期症状は朝のこわばり(特に手指)として現れ、関節を動かしてはじめてもなかなか改善することはありません。
炎症と痛みによって疲労感や全身のだるさも一般的な症状として起こり、微熱、体重減少をきたすことがあります。
リウマチは慢性であることや、それに伴う心理・社会的ストレスの増大により不安やうつ状態、不眠などの精神障害もでやすくなります。
消化器症状としては、痛み止めによる胃炎・胃潰瘍、続発性アミロイドーシスによる腸管運動障害などがあります。
全身性の骨粗鬆症が高頻度にみられ, 容易に脆弱性の骨折を引き起こしうる。プレドニン服用の場合は特に起こりやすいです。
リウマチのの20~60%に二次性の貧血を認めることがあります。
関節変形により足にはいわゆる“たこ”と呼ばれる胼胝ができやすく歩行の障害になることがあります。
(2) 関節炎
初期症状は朝のこわばり(特に手指)が特徴的で、関節を動かしてはじめてもなかなか改善することはありません。
関節痛や腫れが特に手指、手首、膝などの小関節に左右対称に起こることが多いですが、単体の関節でも腫れ、関節破壊が起こることがあります。
関節痛のみでなく、関節の腫脹・発赤・熱感を伴う関節炎が特徴である。 関節炎は多発性、移動性であり、手関節に好発します。遠位指関節(指の第一関節)が最初から侵されることは稀になります。この他、足の指、肘、足関節などの中小関節が侵されます。
関節炎が進行すれば、関節可動域の低下や変形、拘縮などが起き、関節破壊、筋萎縮、腱断裂などによって日常生活動作が障害されます。