病院に受診する動機の79% は「痛み」での悩みだといいます。
その次は、「せき・たん」が16%、
その他が5%になります。痛みでお悩みの人は多いのですが、
「痛み」で悩んでいるので鍼灸院に行ってみようという人は、いったいどのくらいいるのでしょうか?
家族が昔から、頭痛がでたら鍼を受けていた、父が腰が痛い時は鍼灸院に行っていたという方は、
鍼灸院というのも選択肢にありますが、ほとんどの人は、
「鍼灸」を思い浮かぶことはありません。 まだまだマイナーです。
痛みへの鍼治療は機序・エビデンスが分かっている
広まらない理由の1つに、鍼灸治療のやり方が統一されていないというものがあります。
大きく分ければ、古典派と現代派というものがあります。
古典はというものは、経絡や気の流れなど東洋哲学に基づいた治療法です。
「難経」という1000年以上前の古代中国の文献を学んだりしています。
現代医学派は 、医学は進歩しているため、
その進歩にそって科学的な根拠に基づいた治療を行うものです。そのため、気の流れなどは特に診ません。
痛みに関していえば、鍼灸治療の効果の機序、エビデンスは分かっています。
例えば、線維筋痛症は置針(針を刺して置いておくやり方)よりも
針通電が非常に効果が高いことが分かっているのですが、いまだに、置針だけを行っている鍼灸師がいます。
線維筋痛症には鍼通電でないと効果なし
古典派になると、針通電というやり方は気が乱れるといって行わず、
数ミリ針を入れて、使う鍼も2~3本で終わるという鍼灸師も実際います。
針は痛みに効果があるということは、
正しいやり方を行った場合にのみ効くということです。
痛みを感じている部位に鍼治療を行ったり、
何千年も昔の古典に書かれた理論で鍼治療を行っても期待した効果はでません。
ぼくの鍼灸院には古典的鍼灸治療を受けていたがよくならず、
移って来られる方が多いのですが、患者さんから治療内容を聞くと
エビデンスがないやり方を行っている場合がほとんどです。
鍼灸も研究が進み、変化しています
医学は進歩しています。昔々の1000年前の書物を学ぶことよりも、
新しい鍼治療の方法、鎮痛システムを学ぶ必要があると思います。
その後に興味がある人は、東洋医学、鍼灸の古典哲学の書物を学べばいいのではないでしょうか。
鍼灸治療の目的は、患者さんたちの「症状をよくすること」「痛みを和らげる、取り除く」ことです。
であるのなら、科学的に効果が高いやり方を提供すること必要ではないでしょうか?
治療者の自己満足で終わっていませんか。