痛みと天気の関係について理解しておきましょう。
最近、雨が続いているため「天気が悪くなると、何となく調子も悪い」という人が多いです。調子の悪さは、人によって様々で、めまい、頭痛、耳鳴り、関節痛。胃痛など。どんな形ででるのかは、その人のもともと遺伝的にも体質的も弱い部分に現れます。
特に、長い間痛みにさらされた古傷や関節破壊、変形などを持っている場合、その傾向は強く現れます。リウマチの方場合、今は痛みも腫れがなくても実際に患者さんのお話を聞いていると、雨が降っている時より、降る前の方が痛い人が多いように感じます。では、これはなぜ起きるのでしょうか?
天気が悪いと痛みがでる仕組みを理解しよう
低気圧が近づくと、気圧は徐々に下がり雨が降ります。気圧が下がると、耳の中にある内耳というセンサーがそれを感知し、視床下部を通じて交感神経活動が亢進します。
交感神経活動が亢進すると神経末端からノルアドレナリンと呼ばれる物質が血中に放出され、痛みを感じる神経や一部の侵害受容器を刺激します。
また、ノルアドレナリンは血管を収縮させたり、血液中のマクロファージや肥満細胞を活性化させてヒスタミンやTNαと呼ばれる物質を放出し、痛みを感じる神経を刺激します。 さらに、副腎髄質にもはたらきかけてアドレナリンを分泌し、同様に痛みを感じる神経を刺激します。
普通の状態では、気圧が下がって痛みを伝える神経や受容器が刺激されたとしても、痛みを感じることはほとんどありません。
しかし、あらかじめ神経損傷や炎症などが存在すると、侵害受容器や後根神経節などに正常時では認められなかった交感神経に反応する受容体が新たに出現するため、気圧の変化でも痛みを感じるようになります。そのため、古傷を抱えた人、関節の変形、破壊などある人は、気圧の変化に敏感になります。
痛みがでると不安、だから知っておくことが大切
天気が悪くなれば、痛みが出やすくなる体のしくみを理解しておいてください。知識がなければ、悪化しているんじゃないのかと、思い込んでしまいます。多くの方がこのしくみを知らなくて、症状が悪化したと思いこんでいます。痛みは情動も影響します。情動とは、不安、恐れ、悲しみ、怒りなどの感情のことです。
不安になれば、痛みはますます強く感じるようになります。このような体のしくみを知っていればの、不安になることもありません。
だから鍼治療なんですよね。
「では、雨が降る前に痛みがでることはよく分かったが、どうすればいい?」と思う人もいるでしよう。西洋医学では雨を降る前の痛みでも症状の悪化の痛みでも、治療方法は同じです。ロキソニンを飲んだり、モーラステープを痛い関節に貼ったりするしかありません。薬は治すというよりも、つらい症状を止めているだけです。
自律神経系、血管系、リンパ系のみだれを整えれるのは、鍼治療が得意な分野。ここはぜひ、東洋医学・鍼治療を受けて欲しいですね。
鍼治療が生活の一部になり、定期的に受けてくれている方たちが最近はよく鍼を受けにきてくれています。調子が悪い時は、1週間に1回、2回ほ受けて、よくなれば、1ヶ月に1回の治療回数に戻されます。体の健康維持に取り入れているのが、嬉しいですね。