寒くなると関節痛を訴える方が増えます。
症状が安定している方や数ヶ月間、来られていなかった方からも診て欲しいとの電話がありました。
別に関節は腫れはないし、血液検査のデータもいい。だけど痛みが出ているようです。
痛みがでれば関節リウマチの方であれば、また、再発したのか?悪化したのではないか?と不安になると思います。
気象が痛みを強くする原因
これは長いあいだ痛みにさらされた古傷がある方には特によくおこる現象です。この時期いつも説明していますがまた説明させてもらいます。
低気圧が近づくと気圧が下がります。すると耳の中にあるセンサーの内耳がそれを感知し、視床下部を通じて交感神経が亢進します。
交感神経の亢進がおきると、神経末端からノルアドレリンが血中に放出し痛みを感じる神経を刺激します。これがおきれば、血管は収縮しさらに血中マクロファージや肥満細胞を活性化し痛みを感じる神経を刺激ます。
関節が破壊されて神経損傷がある方、数ヶ月間、関節が腫れていたという方は、気圧の変化でも痛みを感じやすくなります。
そこに寒さも加われば、筋肉や靭帯の収縮もおきるため痛みはさらに強く感じるようになります。
痛みがあれば、やはりネガティブな気分になるものです。
感情ストレスは副腎皮質や髄質をし、セロトニン神経の抑制もおきるため、より強く痛みを感じるようになります。
手関節に腫れがあった方や関節破壊がある方は、手関節がこわばるため、手関節につながる筋肉にも痛みがでてきます。
ブルーの部分が指伸筋といってリウマチの方がよく痛みを感じやすい部分になります。
痛みがある上の関節にも影響がでる
手関節の破壊が強く、運動制限がある方は動きがスムーズではないため上へ上へと負担がかかり、肘関節や肩関節、首の筋肉にも影響がでてきやすくなります。
他の関節にも痛みがでてくれば、悪くなってきたのではないかと不安に思うのも無理もありません。
痛みで不安にならないためにも患者力をつけよう
最近では痛みの仕組みを患者自身が知ることが大切だといわれています。
ただ、病院の保険診療では説明をする時間もあまり取れないため、患者教育がうまくいっていないのが現状のようです。
私の鍼灸院では、以前から患者さんたちに「痛みの機序」をできるだけ分かりやすく説明するようにしています。なぜ痛みが起きるのか、どのような時に痛みが強くなるのかを知ることはとても大切なことです。
このように患者さん自身が、ちゃんと自分の病の知識を持つことを「患者力」といいます。
「患者力」をつければ、セロトニン神経の抑制もおきませんから、痛みがさらに強くなることはありません。
多くの方たちは、「痛みの機序」を説明すると納得され、痛みも軽減していきます。不安がやわらいだからだと思います。
今はコロナでできませんが、また患者さん向けの「リウマチ克服セミナー」ができれば、このような話もしていきたいと思います。