生物学的製剤を使わなくてもいいと、医師から言われる

生物学的製剤をしているけどリウマチの症状がよくならない、こういう方はおられませんか?

私の鍼灸に来院されている方の中にも、「生物学的製剤をするので、鍼灸は終了します」

と、ここまでハッキリ言いませんが、次回から予約を入れない人もいます。

リウマトレックス(MTX)を服用したが、

よくならないので鍼灸治療を受ければよくなるのではないかと思い来院された患者さん。

鍼灸治療を受けるるが、週に1回の治療を3ヶ月続け、

よくならないと思い、鍼灸をやめる そして、生物学的製剤へ・・・

鍼灸治療を取り入れれば、症状がよくなると思ったが、

期待した効果がなかったので止めたんだと思います。

しかし、このパターンの方に多いのは、1,2か月で、鍼灸治療を止めてしまう方に目立ちます。

目次

メトトレキサートが効かないなら効く体にしないと

薬が効かない人には、薬が効きやすき体に戻さないといけません。

特に、リウマトレックスを、4錠、5錠飲んでも効かない人は、

薬が効く体に変えるには多少、時間はかかるものです。

3か月間、鍼灸治療を続けて、薬が効きだす人もいれば、

2ヶ月で効きだす人もいれば、6か月で、効きだす人もいます。

人間、体質、病歴など、個体差がありますから、

「はい、3か月でよくなります」、とは言えません。

リウマトレックスが効かない人が、薬が効かない、

体のまま先に進んでも、生物学的製剤の効きは悪くなります。

最初は、効果が出たとしても、根本部分の体質を変えていないので、

またすぐに、効かなくなってしまいます。

先に進むのではなく、一度立ち止まり、クリアーしないといけないことがあるのです。

問題(薬が効かない体)が解決していなのに、

薬を増やしたり、強い薬に変えたところで、何も変化は起こりません。

問題を持ったままでは、解決することは難しいのではないでしょうか?

症例:生物学製剤が効きだした

さて、効かなかった生物学的製剤が効きだした症例

Aさん、 50代 女性 

(来院時)

リウマチ発症 8年
リウマトレックス 6mg  エンブレム(生物学的製剤)

CRP 0,05
MMP-3 不明 2年前にしてからしていないとのこと

(症状)
左足背部のむくみ、関節破壊 

足の親指側(内側部) 足の内くるぶし(内踝)ともに、骨の破壊とむくみ、腫れ
破壊して、動きが悪い

足の足低部、つちふまず、骨破壊の影響で消失。

来院、2か月後のデーター

CRP 0,05
MMP-3 63,8

足を動かすと、足背部や足関節に痛みが出ていたが、痛みは軽減。

治療は1週間に1回を続けて、4ヶ月目で3週間に1回の治療。

鍼灸治療 6ヶ月目  

CRP 0,05
MMP-3 82,3

MMP-3が高くなるが、数値の変化は時々起きること、

徐々に症状はよくなってきているので、問題はないと説明。

痛みや腫れがある時は、週に1回の鍼治療。

また安定したら3週に1回に変えながら、治療を続ける。

来院して、8か月目

CRP 0,05
MMP-3 42,1

痛みはほとんどなし。
足背部のむくみ、黒ぽかった皮膚の色も改善する。

来院して11ヶ月目 

CRP 0.,05
MMP-3 33,6

生物学的製剤をいつ止めるか検討。

11ヶ月目のデーターで6か月以上安定しているので、

医師も生物学的製剤を止めても問題がない言ってくれる。

2015年4月に生物学的製剤を止めてもいいがリウマトレックス 続けて欲しいとのこと。

今後は、医師にはリウマトレックスを、できれば止めたいと話す。

様子を見て考えるとのこと。

足の痛みもないし、リウマチも落ち着いているため、

自信も出てきたので、海外旅行に行くことになる。

今、止めてもいいが、6月の海外旅行に行ってから、

生物学的製剤は止めることになる。

(私の感想)

鍼灸師としての感想

鍼治療をやっている間も、MMP-3の数値が高くなったり、

痛みも出た時がありましたが、しっかりリウマチに対しての知識を学び、医師に質問して頂きました。

質問内容は、こちらからアドバイス。

医師も、こちらから積極的に聞くと

色々と話を聞いてくれたり、治療の考えを話してくれます。

しかし、医師との共通言語がなければ、何をアドバイスしていいのか分かりません。

共通言語とは、リウマチの数値の見方、

薬の知識です。これは、しっかり持たないといけません。

知識が雑になれば、正しく理解することはできません。

ぼやけたり、歪んで見えてしまいます。

リウマチの最低限の知識、正しい知識を持つことで不安はなくなります。

知識がないために不安になるので分かりやすいものに、飛びついてしまいます。

分かりやすいものとは、内容が薄い自然療法系の話しや、

中身がないリウマチの治療法、薬を増やせば治ると信じることなど。

正しい知識は持ってください。

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この記事を書いた人

学生時代から京都、大阪の鍼灸整骨院にて4年間修行。
医療法人孝至会みのりクリニック内の東洋医学・リハビリ科にて10年間勤務。医師と協力して延べ3万人に鍼灸施術を行う。
主任を経て大阪府江坂駅前にて鍼灸治療院を開院。

【資格】
・国家資格 (はり師・きゅう師)
・「機能再生士」認定
・日本メンタルヘルス協会
認定基礎心理カウンセラー取得
・日本メンタルヘルス協会
公認心理カウンセラー資格取得

【所属団体】
・一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会 会員

【講演活動】

2015年 関西医療大学にて『「関節リウマチに対する鍼灸治療~メカニズムとエビデンス』講演 
(東京大学医学付属病院リハビリテーション部鍼灸部門主任の粕谷先生と合同)
2015年 明治東洋医学院にて『薬を否定せずに行うリウマチ鍼灸』講演
2017年 平成医療学園にて現場力ステップセミナー主催 『関節リウマチ臨床鍼灸』講演
2017年 (一社)日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)にて『リウマチについて』講義2021年大阪医療技術学園 痛みの鍼灸 授業・実技を担当

2014年~ 一般向け講座『痛み・リウマチ克服セミナー』主催

【掲載】
2015年 医道の日本誌 専門鍼灸記事 掲載
2015年 明治東洋医学院 入学パンフレット 活躍するOB 取材
2016年 医道の日本誌4月号『関節リウマチ鍼灸』論文掲載

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