■ 患者
40代 男性
■ 来院
2019年 8月
■ 症状と来院理由
2012年にリウマチと診断される。
2~3年間、痛みや腫れの症状はなく、アザルフィジンを服用していた。
2018年11月頃より、急に痛みが強く感じるようになる。
2019年春頃から関節の腫れと痛みがひどくなり、薬が効かない状態になった。
薬を飲んでもよくならないため、他に何か方法がないかと思い、
ネットで当院の鍼治療の記事を読み来院された。
(来院時の数値)
CRP 1,25 mg/dL
(前月 7,87mg/dL)
MMP-3 124,4
(処方されている薬)
MTX10mg 服用
プレドニン 5mg
ロキソニン
・治療と経過
来院時、手も握れない、挙上(万歳動作)もできない。
手、足の関節も腫れ、指も赤く腫れていた。
シャツのボタンが止めれてない。
足背の腫れが強いため、、革靴を履くと痛みが強くなる。
仕事から帰ると痛みからの疲労感から、何もできず薬を飲んで寝る状態が続いていた。
薬が効く体の状態ではないため、鍼治療で自律神経の調節を行う。
関節周囲にも鍼を打ち、緊張を和らげた。
自宅でできる関節運動を指導。
毎日行ってもらう。
1週間後の来院時、手を握れるようになる。
腫れも軽減して痛みが和らぐ。
(2ヶ月の血液検査のデーター)
CRP 0,29 mg/dL
MMP-3 86,3
日常生活は全く問題がなく過ごせるようになった。
痛みも関節のこわばり感は、ほぼ消失。
主治医も驚くほどに症状がよくなる。
生物学的製剤の話も出ていたが、状態がいいのでこのまま様子を診ることになる。
・考察
痛みが続けば、全身の血管や筋肉が収縮する。
そのため、障害局所の血流が悪くなり、組織が酸欠状態となる。
組織の酸欠は障害部位の回復を遅らせ、NOなどの発生物質を育成し、さらに痛みは強くなる。
(NOとは血管弛緩作用のある物質であり、二次侵害ニューロンから放出され、一次求心性神経を興奮させる)
この状態が続けば交感神経は亢進し消化機能を抑制するため薬を胃腸で吸収しなくなる。
そうなれば、MTXを10ミリ服用しても薬は吸収されないため効果がでない。
薬が効かないため、痛みが痛みを引き起こし痛みが次々と増強することになる。
悪循環になれば薬は効かない。
西洋医学にはここを治すことはできない。
東洋医学、鍼治療の得意分野になる。
鍼治療で薬が効きやすい体になり、鍼治療で全身の調節を行ったことで薬が効いたと思われる。