鍼灸を受ける前に主治医に相談するべき?東洋医学と西洋医学の違いを理解しよう
「鍼灸を受けても大丈夫か、主治医に確認してから…」
このように考える方は少なくありません。でも、実は主治医に聞いても納得できる答えが返ってこないことが多いんです。その理由を、わかりやすく説明していきますね。

西洋医学の専門家である医師は、鍼灸の知識がほとんどない
多くの医師は西洋医学の専門家ですが、東洋医学や鍼灸についてはあまり詳しくありません。
例えば、私が10年間勤務していた病院の東洋医学・リハビリ科の院長も、「鍼灸は効果がある」と言っていましたが、詳しいメカニズムや適用範囲までは理解していませんでした。実際に、「僕は鍼灸のことは分かりませんから、先生に任せます」と言っていたくらいです。
これは、リウマチの患者さんが主治医に「鍼灸を受けてもいいですか?」と尋ねることが、西洋料理のシェフに「お蕎麦の作り方を教えてください」と聞くのと同じようなもの。専門外のことを聞かれても、的確な答えが返ってこない可能性が高いんです。
漢方薬の処方も実はシンプル?
同じことが漢方にも当てはまります。多くの医師はツムラなどの製薬会社から提供される「漢方一覧表」を参考に処方しています。この一覧表を見れば、膝の痛みやリウマチに適した漢方を選ぶことができるようになっています。

しかし、本来の漢方の考え方とは違います。東洋医学では、患者さん一人ひとりの体質や症状を細かく見て、その人に合った漢方を処方します。(問診・望診・脈診・舌診など)でも、現代の医療現場では時間が限られているので、一覧表をもとに簡易的に選ばれることが多いんです。
東洋医学は「証」を決めますが、これは「症状」を決めて漢方を処方していますので、西洋医学の対処療法になります。
もし興味があれば、「ツムラ 漢方 処方一覧」と検索すると、同じ一覧表がPDFでダウンロードできますよ。
医師に期待しすぎないことも大切
リウマチの患者さんの中には、「食事療法やリハビリについても主治医に相談しよう」と考える方も多いですよね。でも、実は医師は栄養学の専門家ではなく、食事指導は管理栄養士の仕事。また、リハビリに関しても、理学療法士や作業療法士の専門領域です。
もちろん、中には食事や鍼灸、リハビリにも精通している医師もいます。「古今東西の麺類なら何でも答えられる!」というようなマニアックなシェフがいるのと同じように、多くの分野に詳しい医師を見つけられたら、それはラッキーですね。
どこに相談するのが正解?
それでは、鍼灸や漢方、食事療法、リハビリなど、リウマチのケアについて知りたい場合、どこに相談すればいいのでしょうか?
まず、鍼灸については、専門の鍼灸師に相談するのが一番です。鍼灸師は東洋医学の視点であなたの体の状態を見て、適切な施術を提案してくれます。
食事に関しては、管理栄養士が最適なアドバイスをしてくれます。リウマチの症状に合った食事法や、炎症を抑える栄養素について詳しく知りたい場合は、管理栄養士に相談するとよいでしょう。
リハビリについては、理学療法士や作業療法士が専門です。医師に相談するのではなく、リハビリのプロに聞いた方が、より効果的なアドバイスをもらえます。
ただし、リウマチのような慢性疾患はリハビリを行っているところはほぼありません。
まとめ:正しい専門家に相談して、自分に合ったケアを見つけよう
鍼灸や漢方、食事療法、リハビリなど、リウマチのケアにはさまざまなアプローチがあります。でも、それぞれの分野には専門家がいるので、主治医にすべてを相談しようとすると、思うような答えが得られないこともあります。
もし鍼灸を試したいなら、鍼灸師に相談しましょう。食事のことなら管理栄養士、リハビリなら理学療法士や作業療法士と、それぞれの専門家に相談することで、より的確なアドバイスがもらえます。
自分の体を守るために、正しい専門家を見極めて、自分に合ったケアを見つけていきましょう。